特集 「地域を診る医者」最強の養成法!
扉
山中 克郎
1
1諏訪中央病院総合内科
pp.712-713
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200945
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地方の病院でも若手医師を魅了する教育力があれば、モチベーションの高い多くの若者が全国から集まる。本特集では、「教育力」がどのように構築されるのかを紹介したい。身近な症例をベースにした講義と、すぐ下の学年者を教える屋根瓦式教育こそ「最強」である。教えることは自らが学ぶことでもある。指導医が少なければ、院外の勉強会を利用する方法もある。若手医師がたくさん集まれば、ベテラン医師にとっても大変良い刺激となる。
また地域では、急性期から慢性期におけるシームレスな医療が必要となる。診療所や往診をベースに地域医療を行う家庭医と、診断困難症例や入院患者のケアを得意とする病院総合医の協力が大切である。急性疾患は中核病院の救急室で受け入れ、入院治療を行う。症状が落ち着けば、地域包括ケア病棟やリハビリ病棟で亜急性期の療養を行う。退院後は地域の診療所、または外来で慢性期医療を行う。患者の希望に合わせて、在宅や緩和ケア病棟での看取りも行う。さらに本特集の後半では、社会ニーズの高い「地域を診る医者」をどのように育てていけばよいかを皆で考えたい。
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