特集 新時代の「在宅医療」—先進的プラクティスと最新テクノロジー
扉
山中 克郎
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1福島県立医科大学 会津医療センター 総合内科
pp.822-823
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203260
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地方に行くほど、「高齢化問題」は深刻だ。高齢化率が50%を超え、社会的共同生活が困難になった限界集落も多く存在する。医療の重要性が増す一方で、そうした地域では医師不足や医療へのアクセス性が問題になっている。積雪が多い山間部などでは、高齢者が自ら車を運転し1時間かけて町の病院を受診する負担は大きい。昨冬は、「気候変動」の影響もあってか、豪雪に見舞われた地域もあった。「新型コロナウイルス感染症」の流行による受診控えや面会制限などで、患者・家族とも病院へ行きづらい状況もある。今こそ、“新時代”の「在宅医療」が求められている。
もとより、医療や介護が必要な状態になっても、自宅で自立した暮らしを続け、住み慣れた地域で家族・友人と生活を楽しむことは、QOLや患者満足度を高める。そのためには、疾患の早期発見・早期治療や重症化の予防などを実現する、病院・診療所そして在宅医療の連携と地域ネットワークが必要だ。都市部に先んじて高齢化が進む地方では、すでにその試行錯誤が進んでいる。そこで本特集では、まず「地方」での在宅医療に着目した。東日本大震災から10年を迎えた「福島」の地域医療の今に光を当て、また各地の先進的な取り組みを紹介する。
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