特集 Hospitalistのための画像診断—③腹骨盤部編
Part 3 各論:急性腹症の画像診断
8.腸閉塞・イレウス—腸管虚血の評価から手術が必要な患者を特定する
竹山 信之
1
,
藤澤 英文
2
Nobuyuki TAKEYAMA
1
,
Hidefumi FUJISAWA
2
1昭和医科大学藤が丘病院 放射線科
2昭和医科大学横浜市北部病院 放射線科
pp.535-547
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218804090120030535
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小腸閉塞は原因の約70%が癒着性である。小腸閉塞の大部分は保存的治療で合併症なしに改善されるが,その約10%(5〜42%)が腸管虚血と関連している。このため,絞扼による虚血と,虚血による緊急手術の必要性を,迅速に特定することが重要である。臨床所見や検査所見は,絞扼の判断や手術の必要性を予測するのに感度が低いことがあり,CTでの画像所見は治療方針・治療の決定に重要な情報を提供する。
CTの目的は小腸閉塞の疑いがある患者において,①小腸閉塞の有無を判断する,②閉塞の場所を特定する,③原因を特定する,および④絞扼や穿孔などの合併症を探すことにある1)。CTは小腸閉塞の診断だけでなく,患者ごとの適切な管理を迅速に決定するための不可欠なモダリティと考えられる2)。
本稿ではまず,腸管拡張の読影手順,腸閉塞の総論を述べる。症例提示は後半にまとめ,大腸閉塞,続けて小腸閉塞を提示する。

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