特集 ICUにおける抗菌薬:new era strategy
【コラム】バンコマイシンの持続投与—過大腎クリアランス患者には有効か?
尾田 一貴
1
Kazutaka ODA
1
1熊本大学病院 薬剤部
キーワード:
治療薬物モニタリング
,
TDM
,
間欠投与 vs. 持続投与
,
過大腎クリアランス
,
ARC
,
血中濃度時間曲線下面積
,
AUC
Keyword:
治療薬物モニタリング
,
TDM
,
間欠投与 vs. 持続投与
,
過大腎クリアランス
,
ARC
,
血中濃度時間曲線下面積
,
AUC
pp.256-259
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188348330170020256
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はじめに
バンコマイシン(VCM)は腎毒性を伴うため,治療薬物モニタリングtherapeutic drug monitoring(TDM)が推奨されており,近年は持続投与の有益性が検討されている。近年の系統的レビュー・メタ解析では,間欠投与よりも持続投与が腎毒性および目標濃度達成のばらつきを抑えることが示された。2020年の米国VCMのTDMガイドライン1)では,持続投与が「間欠投与では目標血中濃度時間曲線下面積area under the blood concentration time curve(AUC)が達成困難な場合」に間欠投与の代替手段とされているが,具体的な適応は明確に示されてはない。特に腎機能が高い患者では持続投与が有効と考えられる。

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