特集 酸塩基平衡,電解質異常に挑む
Part 1 ICUでの電解質異常に挑む
ナトリウム異常
❷ 低ナトリウム血症,実際どうやって補正する?—最近の研究結果をふまえた適切な治療方法
桑野 公輔
1
,
川上 大裕
1
Kousuke KUWANO
1
,
Daisuke KAWAKAMI
1
1飯塚病院 集中治療科
キーワード:
低ナトリウム血症の診断アルゴリズム
,
急速補正
,
ボーラス投与と持続投与
,
補正速度
,
過剰補正
Keyword:
低ナトリウム血症の診断アルゴリズム
,
急速補正
,
ボーラス投与と持続投与
,
補正速度
,
過剰補正
pp.3-13
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188348330170010003
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はじめに
低ナトリウム血症は血清ナトリウム(Na)濃度<135 mEq/Lと定義され,入院患者に生じる最も頻度の高い電解質異常である。血清Na濃度<120 mEq/Lの重症低ナトリウム血症の院内死亡率は6〜10%1,2)と高く,迅速な対応が求められる。低ナトリウム血症に関するガイドラインが2013年に米国3),2014年に欧州4)で発表され,早10年が経過しており,発表後に3%高張食塩液の投与方法や過剰補正となった場合の逆補正に関して報告されている。
本稿では最近発表された研究結果をふまえ,現時点でどのような治療が適切かを解説する。
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