増刊号 内科エマージェンシーと救急手技
疾患からみた内科エマージェンシー
腎疾患・電解質異常
86.低ナトリウム血症
和田 孝雄
1
1稲城市立病院
pp.1964-1965
発行日 1990年9月30日
Published Date 1990/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900503
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●低Na血症の原因疾患
低Na血症の治療にあたって最も考慮しなければならないのは,低Na血症イコールNa欠乏と考えてはいけないということである.表に示すように,低Na血症には4つのカテゴリーが存在する.
第1はNa欠乏性のものである.このときには腎外性の原因によって生じたものであれば,尿中のNa濃度は10mEq/l以下になっていて,一般にはゼロに近いと考えてよい.しかし腎からのNa喪失であれば,当然ながら尿中のNa濃度は低下し得ない.ところがこの第1のカテゴリーは,低Na血症の原因としてはむしろ少数派に入るのである.多くは第2か第3のカテゴリーに入ると考えてよい.
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