連載 日本人が貢献した認知症研究の足跡・3
運動ニューロン疾患を伴う認知症
三山 吉夫
1
1大悟病院認知症疾患医療センター
キーワード:
frontotemporal dementia
,
motor neuron disease
Keyword:
frontotemporal dementia
,
motor neuron disease
pp.729-733
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188160960770060729
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はじめに
1892年にArnold Pick1)がPick病を最初に記載して100年以上経ち,20世紀の前半にはPick病の概念が確立した。Pick病は,前頭側頭葉型認知症の代表例であるが,精神科以外の診療科からはほとんど関心が持たれていなかった。20世紀後半から精神科以外の診療科でもPick病の近縁疾患である進行性皮質下グリオーシス2),皮質基底核変性症3),進行性失語症(語義失語を含む)4),前頭側頭型変性症5),運動ニューロン疾患を伴う認知症(frontotemporal dementia with motor neuron disease:FTD-MND)6)の病態に関心が持たれるようになった。ここでは,FTD-MNDのこれまでの経過と筆者の考えを述べる。

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