特集 CIDP 50年
【鼎談】CIDP 50年—今までとこれから
楠 進
1
,
桑原 聡
2
,
神田 隆
3
1近畿大学
2千葉大学大学院医学研究院脳神経内科学
3脳神経筋センターよしみず病院
pp.5-13
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.188160960770010005
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疾患概念の始まり
神田 CIDP(chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy;慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー)がまとまった1つの疾患概念になったのは,いまから遡ること50年。1975年のDyckらの論文1)が最初です。1975年はちょうど私が医学部に入った年で,私は末梢神経の病理に関する研究で学位を取得したものですから,このDyckらの論文が非常に気になっていました。けれど,6年後の1981年,私が卒業した頃はまだ,医局の神経内科医はCIDPという言葉を使っていなかったです。先生方の周りだと,いつ頃から使われ始めましたか。
楠 1987年に私が留学から帰った頃ですね。免疫介在性でステロイドの効く慢性のニューロパチーの存在は以前から知られていましたが,CIDPという用語は,留学前に聞いたことはありませんでした。
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