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第9回リハビリテーション先端機器研究会は福岡市で第60回日本リハビリテーション医学会学術集会(会期:2023年6月29日〜7月2日)との合同シンポジウムとして開催されました.座長,演者ともに全員会場にそろい,現地での参加者も交えて現地+会期終了後のオンデマンド配信の形式での開催でした.
最初に早稲田大学人間科学学術院健康福祉学科,国立病院機構村山医療センター臨床研究部の村岡慶裕先生が「Wearable随意運動介助電気刺激療法」の演題名で講演されました.村岡先生が1998年に考案された随意運動介助電気刺激(Integrated Volitional control Electrical Stimulation:IVES)で脳卒中片麻痺患者の手指の回復を促す装置がその後小型化され,2017年には装着型が販売されました.このWearable IVES療法の最新の知見を述べられました.次に産業医科大学医学部リハビリテーション医学講座の佐伯覚先生が「tDCS療法の進歩」という演題名で講演されました.経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の発展の歴史,刺激方法,そしてtDCSを併用した片麻痺訓練について紹介されました.3人目に北海道大学病院リハビリテーション科の向野雅彦先生が「客観的な痙縮測定手法の開発」の演題名で講演されました.痙縮の臨床スケールであるmodified Ashworth Scaleの信頼性には否定的な報告もあります.そのために開発された足関節の痙縮を簡便に定量化する装置iQMoS®の開発プロセスを自らの経験を交えて紹介されました.最後に東京保健医療専門職大学リハビリテーション学部理学療法学科,早稲田大学理工学術院総合研究所の安田和弘先生が「没入型バーチャルリアリティによる半側空間無視に対する3次元評価と介入」の演題名で講演されました.従来の半側空間無視の評価は2次元的な机上試験が中心で限界が指摘されてきました.そこで安田先生らが開発したヘッドマウントディスプレイを用いた3次元的に無視を評価するシステムをご紹介されました.続いて総合討論が実施されました.
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