連載 当事者研究・12
〈研究テーマ〉「幻聴さんにジャックされる人,されない人」の研究 パートII―“くどう くどき”は食いしん坊だった
林 園子
1,2
1べてるしあわせ研究所
2幻聴さんレスキュー隊
pp.82-86
発行日 2003年11月15日
Published Date 2003/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900648
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
2003年5月号で発表した「幻聴さんにジャックされる人,されない人」の研究のなかで明らかになったのは,幻聴さんや“こころのお客さん”に左右されて「ジャックされるか,されないか」の違いは,素直に自分の気持ちを打ち明ける力や自分にあった役割,自分に対する正直さ,幻聴さんに対する対処方法を知っているかどうかが影響しているということだった。
私の場合は,幻聴さんや“こころのお客さん”に誘導されると,同じことを何度も何度も繰り返し確認せずにはいられない強迫的な確認行為がはじまり,止められなくなる。例えば頭に数字が浮かぶと,「竃卓で計算しなさい」という幻聴さんが現れ計算が止まらなくなる。電卓がないと紙に計算をはじめてしまう。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.