研究・調査・報告
「ポカリ・バナナ療法」を実施しているアルコール依存症患者の保健的対処行動について
松下 年子
1
,
田口 真喜子
2
,
山崎 茂樹
3
1東京医科歯科大学大学院医歯学船研究科心療・ターミナル医学
2東京医科歯科大学大学院保健衛生学科
3白峰クリニック
pp.100-103
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900504
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はじめに
アルコール依存症においては,身体的回復のみならず精神的・社会的回復が主要な治療目標として位置づけられている★1。そのために,内科・外科的疾患以上に,本人の病識や治療意欲,さらに積極的な受療態度が必要とされ,医療スタッフにも,本人の病気に対する主体的な取り組みを促すアプローチが求められている★2。また,アルコール依存症をはじめとする嗜癖問題の解決には自助グループの功績が大きく,メンバー間の交流を通じて,自他に対する基本的信頼を再獲得すると共に,彼らがそれまでに形成してきた認知・思考・感情表出パターンにおける歪みを,調整し得るといわれている★3,4,5。
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