研究・調査・報告
ジェンダー・パーソナリティと共依存の関連性について
橋本 香織
1
,
日下 和代
2
1東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
2東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
pp.104-109
発行日 2002年7月15日
Published Date 2002/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900488
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はじめに
1970年代後半,アルコール依存,薬物依存など嗜癖の問題を取り扱うアメリカの精神療法家たちの間で認識上の大転換が起こった。それは「共に依存しあう関係性それ自体が病理の本質で,アルコールや薬物への嗜癖は関係性の病理を修飾する現象にすぎない」★1という考え方である。以後,新たな概念として確立したのが「共依存(Codependence)」である。共依存とは,アルコール依存症者の妻の特徴を説明するための概念として提唱され,共依存症者とは「彼ら自身,不安と依存性が強く,そうした内面的な葛藤を他者をコントロールすることで癒そうとしている人々」★2である。
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