研究・調査・報告
精神科外来における看護面接の実際―主治医と面接できない精神分裂病患者への援助を通して
小松 万喜子
1
,
立澤 とくゑ
2
1山形大学医学部看護学科
2信州大学医学部附属病院
pp.36-40
発行日 2000年7月15日
Published Date 2000/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900288
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
要旨
医師との面接を拒み続けた精神科外来患者が,2年半におよぶ看護婦との面接過程を経て,医師との面接が可能になるまでの経過をペプロウの人間関係論を用いて振り返り,精神科外来における面接のあり方,看護の役割について考察した。ペプロウが述べる4つの局面は本事例においても重なり合い連動して現れた。ことに,方向づけと同一化の重なりは大きかった。外来看護婦・士には,すべての局面において,社会生活のなかで不安定になりがちな患者を受容的に受け止め,支持し続ける態度が大切であり,また,情報提供者,相談相手,代役,技術的専門家などの他、場の調整をはかるという役割を柔軟に果たすことが求められた。あわせて,精神科における面接が診療の重要な部分を担うことをふまえ、医師のスーパービジョンをうけながら面接を継続することの重要性が示唆された。
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.