特集 約束から見えるもの
事例から「約束」を考える
看護者が腹をくくって約束をするとき
橋本 きみ
1
1北海道立向陽ヶ丘病院
pp.10-14
発行日 1999年9月15日
Published Date 1999/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689900211
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患者の思いに添おうとする看護者の意思
福井看護婦は,同僚や後輩から「精神科看護者としてのセンスの抜群さ」を評価されている。臨床現場に直接いない私ではあるが,病棟巡回の際,患者さんとのかかわりで「おッ,やっているな!」と思うことがしばしばである。
つい先日も,高齢のアルコール依存症のUさんと,紛失した品についてやりとりを交わす場面に出会った。Uさんはテレフォンカードがなくなり,「これは誰かが盗ったにちがいない。探して欲しい」と訴えていた。閉鎖病棟の朝食前となれば,どんなに大変な時間帯であるか想像できると思う。
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