徹底分析シリーズ 酸塩基平衡異常
代謝性アルカローシス:高をくくって失敗しないために
中島 正順
1
Masayori NAKAJIMA
1
1愛仁会高槻病院 麻酔科
pp.1132-1135
発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100812
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皆さんは日常,診療中に代謝性アルカローシスを呈している患者に多く出会いますか。代謝性アルカローシスを特別意識して治療をされた経験はありますか。
代謝性アルカローシスの治療の基本は原因疾患の治療と体液や電解質の異常の是正であるため,もともと重症である患者をみる医療機関以外では,あまり代謝性アルカローシスを意識せずとも通常の治療を行っているうちに,改善していることが多いかもしれません。ただし,軽度の代謝性アルカローシスは問題ないがうまく介入できずに重度にさせてしまうと重篤な病態になる可能性があります。つまり,pH 7.55を超えるような重篤なものではアルカローシスを意識した適切な治療がなされるべきです1)。
そこで,できるだけ軽度のうちに改善させるため,また,もし重症化した時にも治療できるよう,この機会に代謝性アルカローシスについて振り返ってもらいたいと思います。
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