連載 おとなが読む絵本——ケアする人,ケアされる人のために・143
感性が刺激される結末の逆転劇
柳田 邦男
pp.454-455
発行日 2018年5月10日
Published Date 2018/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200985
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詩人の工藤直子さんの詩は,言葉が自然体でやわらかく,思春期の少女のようなみずみずしさがあり,それでいて思わず微笑んでしまうユーモアとしっとりとしたペーソスがまぶしてある。私の好きな「あいたくて」などは,まさにそうだ。
その工藤さんが愉しい“おはなし”を書き,和田誠さんがそのユーモラスな“おはなし”にぴったりの絵を描いて絵本『密林一きれいなひょうの話』を創りあげた。何しろ絵本の表紙に,通常は「工藤直子作」とか「工藤直子文」と表記するのに,「おはなし=工藤直子」と記してあるのだから,それなりの思い入れがあるのだろう。
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