連載 傍らでいて・3
ブラックユーモア(不眠時与薬時)/なぜ、私は詩を書くようになったのか
木暮 明菜
1
1群馬県立精神医療センター
pp.180-184
発行日 2024年5月15日
Published Date 2024/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201265
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グループホームにて、夜間に不眠時薬を入居者の方にお渡ししたときのこと。普段からカジュアルな感じで「死にたい」「死んだらどうなるのか」と言うことで、自身のどうしようもない感じ、所在のなさを伝えようとされる方でした。すぐに命を絶つことを決行する……というわけではない。でも死にたいような気持ちがずっとある。この気持ちをずっと持ち続けることもしんどい……。
そして私も、霧がかかったような感じのやりとりが続く状況に、どうしたらよいのか悩んでいました。しかし、どのようにすれば、この霧が晴れるのかわからない。ぐっと踏み込んで詳しい事情を聴いていけばよいのか、「死にたいなんて言っちゃだめ」と叱咤激励したらよいのか、「言っているだけで本気で死のうと思っていないのでしょう?」と時には冷たく突き放せばよいのか。
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