特集 身体科受診・入院にまつわる看護と円滑な治療継続
7 —調査研究から見えてきた—精神科病院と身体科病院の連携における課題とその背景
千葉 理恵
1
,
廣田 美里
2
,
林 佑太
2
,
梶原 友美
2,3
,
木戸 芳史
4
,
谷口(梅田) 麻希
5
,
橋本 健志
2
,
野津 美由紀
6
,
石田 祐樹
6
,
山口 玲子
6
,
西脇 可織
7
1京都大学大学院医学研究科
2神戸大学大学院保健学研究科
3大阪大学大学院医学系研究科
4浜松医科大学医学部看護学科
5東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
6社会医療法人寿栄会 ありまこうげんホスピタル
7小牧市民病院看護局
pp.525-528
発行日 2023年11月15日
Published Date 2023/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689201206
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浮き彫りになる身体疾患治療の課題
近年は高齢化に伴って、精神疾患に身体疾患を合併した患者の数が増加しています*1。精神科病院ではしばしば、入院患者に身体疾患が見つかり、専門的な検査や治療のために身体科病院への転院が必要になる状況が生じます。近隣の身体科病院とのネットワークや家族のサポートなどによって、患者が比較的スムーズに転院できることもあれば、適切な身体治療を十分に受けられないこともあります。
コロナ禍においては、新型コロナウイルスに感染した日本の精神疾患入院患者の約6割が、身体科病院での治療が必要な状態になっていたにもかかわらず身体科病院に転院することができなかったと報告されており*1、この課題の切実さが浮き彫りになりました。
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