連載 失恋の話を聞きまくる男たち。桃山商事・14
「男の生きづらさ」を考える【前編】—自分を知ることから逃げ続ける男たち
清田 隆之
1
1桃山商事
pp.496-499
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200276
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男らしさといえば、かつては「寡黙で、勇敢で、豪快で、忍耐力があって堂々としていて頼りになる」といった“強い”イメージの付随する言葉でした。しかしここ数年、メディアで「男の生きづらさ」というキーワードをよく見かけます。
例えば2014年7月にはNHK『クローズアップ現代』が「男はつらいよ2014 1000人“心の声”」というテーマで番組を放送し、同年9月には、雑誌『AERA』(朝日新聞出版)が「男がつらい!」という特集を組んで話題になりました。これを皮切りに、例えば「男が男であるためにかかえてしまう困難や葛藤」を研究する「男性学」という学問が注目されたり、また書籍や映画、演劇といったカルチャーの世界でも、男性性をテーマにした作品が少しずつ増えている印象です。今という時代は、旧来的な男らしさに更新が求められているときなのかもしれません。
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