1200字通信・111
ある男の一生
板野 聡
1
1寺田病院外科
pp.1357
発行日 2017年11月20日
Published Date 2017/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211850
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昭和2年11月,当時は日本の統治下にあった台湾の軍港 基隆(キールン)で,一人の男児が産声を上げました.剣道で鍛えられながらすくすくと育ち,太平洋戦争突入後には,父親の勧めで現地の医学校に入学,何度か派遣された戦闘地での壮絶な経験が,その後の達観した人生哲学をもたらしたといいます.
そして,敗戦.全財産を失い,着の身着の儘で帰国しましたが,家族が生きて帰れただけでよかったという時代でした.帰国後に地元の医学部に編入しましたが,終戦後の混乱期で,同級生には生き残った特攻隊員や予科練などの元学生も多くいたようで,定数の倍以上の賑わいだったとのちに語っていました.
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