連載 失恋の話を聞きまくる男たち。桃山商事・15
「男の生きづらさ」を考える【後編】—本や芝居の中で描かれる男たちの姿
清田 隆之
1
1桃山商事
pp.608-611
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200301
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前回は、私が女性たちから失恋の話を聞きまくる中で、次第に「問題は男性にあり」という思考へシフトしていった経緯についてご紹介しました。女性たちは「男のことがよくわからない」と口を揃えて言う。しかし、男もまた自分自身のことがよくわかっていない。その原因は、男が自分についてちゃんと知ろうとしないからだ—。私は自分自身の経験も含め、そのような考えに思い至ったわけです。
時を同じくして、本やマンガ、演劇などカルチャーのシーンでも、男性性を問い直すような作品が数多く見受けられるようになりました。前編ではその代表例として、アダルトビデオ監督・二村ヒトシさんの著書『すべてはモテるためである』(イースト・プレス、2012)を紹介しましたが、他にも男性の在り方に疑問を投げかけ、旧来的な男らしさのアップデートを試みるような作品がたくさん出ています。私が見聞きしてきた範囲のものになりますが、後編ではその一部を紹介していきたいと思います。
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