特集 精神科ならではのファーストエイド(応急処置)と、とっさの声かけ
ケース①体感幻覚を原因とする腕への自傷/②カミソリで手首を自傷/③ハサミで首を切って自殺企図/④幻聴による命令で箸を鼻に詰めた/⑤飛び降りて自殺企図/⑥大量服薬で昏睡状態に/⑦洗剤を飲んで自殺企図/⑧首を吊って自殺企図
三上 剛人
1
,
中村 創
2
1吉田学園医療歯科専門学校救急救命学科
2医療法人資生会千歳病院
pp.316-342
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689200243
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状況
20代後半の男性患者(統合失調症)。22時頃「体中の血管を虫が這っている。腕が疼いて仕方ない」と言い、プラスチック製の櫛の柄で左前腕を切っているところを発見される。柄は折れており、血が付いた先端部分がベッド横で発見された。折れた柄で腕を切ったことで柄の断面が鋭くなり、さらに裂傷が深くなったと考えられる。正中から手首にかけてミミズが這うように裂傷が走っていた。表情はボーっとしているが口調ははっきりしていた。右に1本、裂傷は2本確認できた。縫合に20針を要した。
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