特集2 きちんと知っておきたい―SSRIの複雑な副作用
―きちんと知っておきたい―SSRIの複雑な副作用
田島 治
1
1杏林大学保健学部精神保健学教室
pp.45-53
発行日 2012年5月15日
Published Date 2012/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689101024
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看護師さんに知っていてほしい
抗うつ薬の「精神面や行動面への副作用」
うつ病という診断で治療を受けている人が全国で100万人以上となり、どの職場や家庭でも身近に患者さんがいる時代となりました。その一方で、長年いろいろな薬を飲んでいるにもかかわらず一向に回復しない方が多くなり、今の医療のあり方に対する不信感も強くなってきているのはご存知の通りです。治らない人が多いことや自殺者が減らないのは、多剤大量投与が影響しているのではないか、薬に頼りすぎているのではないかという批判の声も大きくなっています。
欧米でも、現在治療の中心となっているSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などの新しいタイプの抗うつ薬は、実はそれほど効果がないのではないかという議論や、逆に自殺行動のリスクを高めたり、攻撃性や暴力などの行動を引き起こしたりするのではないかということが問題になっています。
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