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私のカルテから
SSRIで出現した出血傾向に,他のSSRIへの変更が有効であったパニック障害について
A Case of Panic Disorder with SSRI Induced Bleeding Tendency Successfully Treated by Switching to Other SSRI
三和 千徳
1,2
Chitoku MIWA
1,2
1神戸学院大学人文学部人間心理学科
2みわ心療クリニック
1Department of Psychology, Faculty of Humanities and Sciences, Kobe Gakuin University, Kobe, Japan
2Miwa Mental Clinic
pp.853-855
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102250
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はじめに
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)は気分障害や不安障害などに幅広く臨床現場で使用される薬物である。SSRIの稀な副作用として出血傾向が知られており,以前から多くの報告がある。出血傾向の出現後の対応としてはSSRIの服薬中断が原則であると思われるが,中断後に抑うつ気分や不安感が増悪し,その対応に苦慮することも多い。今回,筆者はfluvoxamineの使用で紫斑が出現したために中止し,その後sertralineを使用したところ紫斑の出現もなく良好な経過を得た1例を経験した。その症例の経過を報告し,出血傾向の出現後にSSRIから他のSSRIへの変更することについて考察を行った。なお,投稿にあたっては口頭で患者から同意を得た。また,プライバシー保護の観点から,科学的考察に支障がない範囲で症例の内容を変更した。
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