連載 医師国家試験から語る精神・神経疾患・4
境界性パーソナリティ障害
白波瀬 丈一郎
1
1東京都済生会中央病院健康デザインセンター
キーワード:
類型
,
作業仮説
,
自己破壊性
,
医原性
,
メンタライゼーション
Keyword:
類型
,
作業仮説
,
自己破壊性
,
医原性
,
メンタライゼーション
pp.391-394
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416202344
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25歳の女性。異性関係や職場の人間関係のトラブルがあるたびにリストカットを繰り返すため,母親に伴われて精神科を受診した。本人はイライラ感と不眠の治療のために来院したという。最近まで勤めていた職場は,複数の男性同僚と性的関係をもっていたことが明らかとなり,居づらくなって退職した。親しい友人や元上司に深夜に何度も電話をかけるなどの行動があり,それを注意されると,怒鳴り散らす,相手を罵倒するなどの過激な反応がみられた。相手があきれて疎遠になると,SNSで自殺をほのめかし,自ら救急車を呼ぶなどした。一方,機嫌がよいと好意を持っている相手にプレゼントしたり,親密なメールを何度も出したりするなど感情の起伏が激しい。
この患者にみられることが予想される特徴はどれか。
a 繰り返し嘘をつく。
b 第六感やジンクスにこだわる。
c 慢性的な空虚感を抱えている。
d 完全癖のため物事を終了できない。
e 自分が注目の的になっていることを求める。
(第115回D28)
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