論考
精神科の男性看護師が患者を「押さえる役割」を引き受けるまでのプロセス
宮武 郁夫
1
,
深堀 浩樹
2
1社会福祉法人桜ケ丘社会事業協会桜ケ丘記念病院
2東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
pp.69-75
発行日 2011年7月15日
Published Date 2011/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100892
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精神科の病棟に勤める男性看護師の多くは、「患者さんを押さえる」という経験をしているのではないでしょうか。医療保護入院に抵抗する患者さんを外来から病棟に連れて行くとき、興奮した患者さんを一時的に隔離・拘束するとき、患者さん同士の喧嘩といったトラブルのとき。このような場合、男性看護師が応援として駆けつけることはよくあると思います。筆者も、患者さんの興奮が激しくて男性の腕力に頼らざるを得ない状況には幾度となく遭遇しましたし、その際、周囲からの期待も感じてきました。
数々の先行研究*1*2などでは、男性看護師の腕力に対して周囲の期待があることが報告されていますが、不思議なことに、男性看護師自身の考えについては、これまでほとんど検討されていません。
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