研究調査報告
患者が期待するトラブル時の看護介入とは
四町 田悟
1
,
吉村 武
1
,
栗田 康弘
1
,
青山 純一
1
,
阿部 宏
1
,
村上 茂
1
,
西田 幸一
1
,
下里 誠二
2
,
荒木 孝治
3
1大阪府立精神医療センター看護部
2信州大学医学部保健学科
3大阪医科大学看護学部
pp.58-65
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100825
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はじめに
精神科の臨床では、思いもよらない衝動行為、自殺企図や自傷行為、また特定の看護師や医療従事者への攻撃行動など、さまざまな切迫した事態が発生することがある。さらに療養生活のなかでは、予期しない患者間のけんかや口論も起こり、迅速な対応と介入が求められる。そのとき、看護師は患者双方を分離して安全を確保し、個別に事情を聞く。その情報を総合して事態の収拾と問題解決を図っている。
これまでの先行研究では、看護師側から考えた看護介入のあり方を記述したものはある(岡田*1*2、齊藤*3、馬場*4)。しかし、患者間のトラブルがあったとき、患者の立場から看護介入のあり方を検討し、患者がどのような看護介入を期待しているのかを明らかにした研究は見あたらない。
そこで本研究では、対応困難な患者や難治症例患者、さらには触法行為をした患者も受け入れている男子閉鎖病棟において患者間のトラブルがあったときに、患者は看護師にどのような介入を期待しているのかを患者の語りから学び、今後の実践活動への示唆を得ることを目的とした。
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