連載 宮子あずさのサイキア=トリップ・76
人間関係という、就労の高いハードル
宮子 あずさ
pp.122-123
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100741
- 有料閲覧
- 文献概要
人に慣れるのが大きなヤマ
訪問看護の仕事も1年を超え、うかがうのに気が重い患者さんが減ってきました。気が重くなるのはたいてい、話が続かず、沈黙が重くたれ込める場合。決して好き嫌いの感情ではないのです。
気が重い患者さんが減ってきたのは、私が患者さんに慣れる以上に、患者さんの方が私に慣れてくれたからでしょう。今まで話が弾まず、気づけば私が問いかけるばかりになっていた人が、自然に話してくれたり、特に話さずとも間がもつようになったりする。この変化は、本当に趣き深いものです。
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.