連載 中井久夫連続講義[補講]・2
―境界例の人にどう接したらよいか―健康な患者、健康な医療者になる
中井 久夫
pp.54-62
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100487
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前回は境界例の人たちに直接病棟でかかわる看護師一般を焦点におきましたので、今日はそれを補うものとして、治療責任者というのか、主治医と担当看護師に焦点を当ててみましょう。
ただ、私が境界例という人たちを診ていたのはずいぶん前のことなんですね。その後、「境界例はトラウマ的な患者とどう違うのか」と言ったのが、『心的外傷と回復』を書いたジュディス・ハーマンですね。彼女は慢性的な“複雑性PTSD”という概念を提唱して、境界例の過半数は子どものときに虐待、とくに性的虐待を受けていると言い出したわけです。
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