連載 地を這うようなすごい実践【新連載】
慢性期病棟で続けてきた「武蔵式エクササイズ」
坂井 輝男
1
,
後藤 広行
1
,
堀田 英樹
2
1国立精神神経センター武蔵病院
2国立精神神経センター武蔵病院リハビリテーション部
pp.70-81
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100423
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精神科病院で、運動療法をレクリエーションやグループ活動の一環として取り入れる試みは多くなされていると思います。しかし、こと慢性期病棟では、患者の身体的負担、疾患の特殊性、スタッフの意思統一ができないといった課題によって、なかなか継続できないことも多くあろうかと思います。
国立精神神経センター武蔵病院では、いくつかの問題に対応しながら、「武蔵式エクササイズ」を4年間継続してきました。続けることによって、患者の心身にさまざまな改善がみられましたので、今回ご紹介したいと思います。
なお、「武蔵式エクササイズ」の内容ですが、これは何か目新しい運動を行なうというわけではありません。一般的に行なわれている運動の組み合わせです。しかし実施にあたってはポイントが3つあります。1つは患者に適した“運動量”と“運動時間”をあらかじめ測定、計算し、それに沿って行なう“軽運動”であるということ。2つめに、1つずつの運動が身体のどの部分の筋肉の強化をねらっているのかを明確に意識しながら行なうということ。3つめに、“行なう時間帯を夕方にする”ということです。考案にあたっては、精神、老人、リハビリ、時間生物学の各専門科の助言を受けました。
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