特集 問われる医療過誤—千葉大採血事故裁判より
事実経過―この裁判は…
pp.10-11
発行日 1971年2月1日
Published Date 1971/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661915909
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──昭和44年4月27日(日),国立千葉大学医学部付属病院第二内科病棟において,採血ミスによる人身事故が発生した。事故の内容は,ACDビン使用による採血の際,看護婦(多田なお)が吸引と噴射とをとり違えたため,供血者の静脈内に空気が入り,その異常に気がついた看護婦が供血者の顔を確かめた時には,すでに眼球を上向固定,四肢硬直,意識を消失していた,というものである。供血者は,40日後,同病院において死亡した。
6月に入って以後,多田看護婦は,医師とともに千葉中央署,千葉地方検察庁などにおいて数回の取り調べを受け,8月22日,国,病院長,第二内科教授,医師とともに民事起訴。続いて10月17日,「業務上過失致死罪」を問われて,医師,多田看護婦は刑事訴訟に起訴された。(その後,民事訴訟の方には変更があり,現在は国だけが起訴されている。)──
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