特集1 「単剤化」を成功させるために必要なこと
スイッチング技法解説と、単剤化を可能にする病院文化の育て方
菊山 裕貴
1
,
岡村 武彦
1
,
加藤 政浩
1
,
米田 博
2
1大阪精神医学研究所新阿武山病院
2大阪医科大学神経精神医学教室
pp.18-28
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100396
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新阿武山病院は大阪府高槻市にある、機能別に分かれた5つの病棟をもつ全病床数290床の単科精神科病院です(表1)。当院は、「社会復帰を目指した精神科医療を提供する」という目標をもち、それを達成するためにこれまでさまざまな取り組みを行なってきました*1。その1つとして、「第2世代抗精神病薬単剤の至適用量を用いた合理的で近代的な統合失調症治療の導入」を2002年から行なってきました*2,3,4。
2002年までは当院急性期病棟退院時の第2世代抗精神病薬処方率は約7割、単剤化率は4割にも満たず、1人当たりの抗精神病薬投与量もリスペリドン換算で11mg/日と多かったのですが、2年間の取り組みにより、2004年には第2世代抗精神病薬の処方率は9割以上、単剤化率は8割以上、抗精神病薬投与量も5mg/日と至適用量に減少しました*5,6(図1、2、3)。今回はその経験から、単剤化を成功させるために必要だと感じること、単剤化の意味、また、具体的なスイッチング技法についてお話しします。
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