連載 精神看護キーワード事典・18
中間管理職の悩み
萱間 真美
1
1聖路加看護大学
pp.113-116
発行日 2007年3月15日
Published Date 2007/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100369
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私も中間管理職
大学教員というと、社会性がほとんどなく、のろのろとマイペースで仕事をしていると思われがちである。しかし、今日どこの大学でも成果主義、競争であるから、そのような理想的な日々はすでに幻想のなかにしかない。論文を何本出したか、大学院の受験生は増えたか、研究費をどこからいくらとってきたか、という数字で厳しく評価されるのだ。よい教育を時間をかけて丁寧にやりました、といっても、では「“よい”という定義は?」「学生は同じように評価しているのか?」と切り返され、目にみえる成果を出せといわれる。
さて、看護の中間管理職である主任や病棟師長、副看護部長の皆さんは、病床利用率、退院までの日数、入院数、夜間救急受け入れのためのベッドコントロールなどに同じように追われていることだろう。高い基準をとって看護師を大量に採用する特定機能病院に優秀なスタッフをどんどん引き抜かれ、看護の質の確保を心配している人も多いことだろう。丁寧によいケアをしていると反論しても、数字に出なければ病院の経営には効果がないと切り捨てられる。難儀な時代になったものだ。
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