特集1 一気に大量88人退院物語。
①病床削減と病棟移転顛末記―飯田病院で起きたことを聞いてくれ
南風原 泰
1
1飯田病院
pp.16-22
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100022
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病床削減って本当によいことなの?
飯田病院は1903(明治36)年に設立された。1914(大正3)年頃より精神疾患の入院を受け入れはじめ、1915(大正14)年に神経精神科も設置された。現在は一般科と精神科が同じ程度の病床数をもつという、日本ではあまりない形態の病院である。
創立100周年を迎えるにあたって、全面的に病院を建て替える計画が具体化したのは1996(平成8)年のことだ。毎月開催している精神科の運営会議で、経営側から突然の発表があった。病棟が新しくなることはスタッフの誰もが大歓迎だったが、それに伴い精神科の病床を100床削減したいという話には耳を疑った。病院の建て替えに際し病床を削減すれば、補助金が出るかもしれないということであった。
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