連載 訪問看護 時事刻々
今月の話題 身体拘束ゼロ作戦
石田 昌宏
1
1日本看護協会政策企画室
pp.629
発行日 2000年8月15日
Published Date 2000/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688902385
- 有料閲覧
- 文献概要
介護保険施設での身体拘束の廃止を目指して「身体拘束ゼロ作戦」がはじまった.
介護保険では,介護保険施設やそれらへの短期入所さらにグループホーム等,施設等に1泊以上するサービスの事業者に対し,指定基準の中で「サービスの提供に当たっては,当該入所者(利用者)又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き,身体的拘束その他入所者の行動を制限する行為を行ってはならない」と謳い,身体拘束等の行動制限を原則禁止している.「やむを得ない場合」という例外規定は「緊急」な場合に限られるので,例えば経管栄養チューブの抜去が生じてもすぐに生命に危険がない場合は,抜去予防のために拘束などをすると禁止規定に抵触する恐れもある.また身体拘束ではなくても,部屋を外から施錠するなどの行動制限も問題である.しかも抵触すると事業所が指定取り消しを受けるほどペナルティーは大きい.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.