特集 訪問看護婦のアセスメント能力の向上を目指して―聖ルカ・ライフサイエンス研究所主催セミナーより
聖路加国際病院における訪問看護症例の分類と問題点―特に高齢者について
押川 真喜子
1
1聖路加国際病院訪問看護科
pp.706-713
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688902286
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はじめに
人口の高齢化がすすみ,1994年には65歳以上の老年人口が総人口の14.6%を占めるまでになり,日本はすでに高齢社会に突入している.そして,生活水準の向上,医療技術の進歩により,高血圧,心臓病,糖尿症,癌等の成人病と言われる慢性疾患患者が増加し,それらの疾患をもつ患者の多くは,病状をコントロールしながら在宅で,継続医療・看護をうけている.在宅医療・看護の普及に伴い,以前ならば考えられなかったような病状の患者が在宅療養を続けている例も多く見られるようになった.それは,生活の質(QOL)に対する認識の変化などとともに,医療費抑制策の下での入院日数の短縮化が,在宅療養を促している側面もあるのではないだろうか.
このような現状のなかで,患者と患者を支える家族が,大きな不安やストレスを感じることなく,病状が上手にコントロールされ,QOLが向上するような在宅療養を送るために,訪問看護婦に求められる役割は大きいと思われる.
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