訪問看護ステーション経営A to Z・5
ステーションの倫理―Ethics
小山 秀夫
1
1国立医療・病院管理研究所
pp.374-377
発行日 1996年9月15日
Published Date 1996/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688902238
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経済倫理と経営
住専問題が大きな社会問題として,連日のようにマスメディアを通じて情報提供されています.今さらながら,バブル崩壊の傷跡が経済と社会に与えた影響の大きさに驚かざるをえません.多くの人々は,なんの恩恵に浴することがなかったにもかかわらず,何となく消費を楽しみましたし,浮かれていたという時代の雰囲気もありました.
バブルで羽振りを利かせていた組織のトップが,実は単なる守銭奴で,まった無責任な人物であったことを知れば,腹を立てずにいられません.しかし,全てが金の世の中だとすれば,なんとも淋しいばかりです.私達が暮らしている資本主義の世界は,決してお金から自由ではありません.自ら働き,金を得ることは,なんら道徳に反した行為でもないし,営利を目的とした組織が経済活動を行なうことも当然と考えられています.むしろ,経済行為によって,全ての人々が金を得ようとすことが前提となって,資本主義が成立しているといえます.
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