新介護システムにおける住民参加型組織の可能性

はじめに

　“豊かな社会”とは，経済的に裕福というだけでなく，重い障害など介護を要する状態になっても安心して暮らし続けられる社会のことであろう．つまり，疾病など後遺症で長期にわたって介護が必要な場合，受けたい援助（ケアなど）を円滑に享受できる環境が整備されていることである．

　さて，介護保険法案要綱の中身を覗いてみると，すでに，さまざまな審議会・委員会などで論議された内容が多く盛り込まれていることが分かる．とりわけ，フォーマルなサービスだけではニーズに応えきれないという件に関して，過去に繰り返し議論された通りである．