特集 訪問看護とリハビリテーション
看護職とリハビリテーション―補助器具とのかかわりを通して
窪田 静
1
1健和会補助器具センター
pp.307-314
発行日 1997年5月15日
Published Date 1997/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901652
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はじめに
「補助器具センターの看護婦の窪田です」と自己紹介をすると,相手の反応は“特に異議の無い人々”と“不思議な顔をする人々”に大別できる.異議が無いのは,補助器具センターというものを初めて知るような人々なので,“補助器具”や“補助器具センターの概要”などを説明し,スムーズにコトが運ぶ.困るのは不思議な顔をする人々で,彼らはこの分野に関して相当の知識を持つ人々である.これらの人々は,補助器具センターで働くならばセラピストであるはず!と思っているし,一体どんな補助器具センターなのか? と疑念を抱いていたりもするからだ.中には「補助器具センターという形はともかく,そういう仕事はずっと前から日本でもセラピストがやっている,だいたい補助器具という名称はおかしい,リハ機器(あるいは福祉用具等)と言うべき」と思っている人もいたりする.事実,今日もリハ病院ではセラピストが車いす処方に励んでいるであろう.また,私のデンマークでの補助器具支援の師匠達がセラピストであるのもまた確かである.
なぜこのようなややこしいことが起きるかというと,補助器具センターというものが何なのか正しく知られていないからだし,補助器具自体だってきちんと普及していないからというのがまずある.そして,日本では補助器具の仕事に専念している存在も珍しいが,それが看護婦であることもまた希だからだ.
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