特集 介護保険が導入されると訪問看護とホームヘルプはどうなるか
【座談会】訪問看護とホームヘルプ―介護保険が導入される前に考えておきたいこと
井上 敏機
1
,
川村 佐和子
2
,
秦 洋一
3
,
宇野 裕
4,5
1枚方市デイサービスセンターサービス供給ステーション
2東京医科歯科大学医学部保健衛生学科看護学
3朝日新聞
4総務庁公害等調整委員会
5元:厚生省社会・援護局人材確保対策室
pp.3-16
発行日 1997年1月15日
Published Date 1997/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901557
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
本誌 新ゴールドプランの目標に向けて在宅ケアの基盤整備が進行中ですが,まだまだ絶対量が圧倒的に不足しているし地域的な偏りもあるようです.そういうなかでいま行なわれている在宅サービスというのは,たまたまアクセスがよかったからとか,極端に言えば,訪問看護ステーションに介護を頼んだほうが,福祉事務所に頼んでヘルパーを派遣してもらうより安いからといった理由でサービスが選ばれてしまう場合すらあると聞いています.しかし,これから基盤整備が進み,介護保険が導入されるようになれば,いずれこういう“何でもあり”の状態は整理されていくわけで,なるべく効率的に,なおかつ効果の高いケアをやっていくにはどうすればいいかという話に向かっていかざるをえないと思います.そこできょうは,訪問看護婦とホームヘルパーという,在宅ケアを支える車の両輪がこれからどうなっていくのかについてお話し合いいただきます.
まず最初は井上さんに口火を切っていただきます.枚方市ではこれまで2年半にわたって24時間巡回型ホームヘルプサービスをつづけてこられました.ことし(1996年)の6月には訪問看護ステーションを立ち上げられ,24時間365日型の訪問介護・看護のサービス体制が整いました.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.