レポート
重度脳梗塞後遺症患者に対する呼吸ケア―訪問看護師・理学療法士の同時訪問が効果的であった一症例
山岸 茂則
1
1飯山赤十字病院リハビリテーション科部
pp.572-576
発行日 2002年7月15日
Published Date 2002/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901524
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はじめに
脳卒中患者では拘束性換気障害と思われる呼吸障害を呈することが報告されている1-3)。また溝呂木ら4)は老人ホームにおける調査で,脳卒中患者の%肺活量は50~60%と著明な低下を示すことを報告している。井口ら5)は麻痺側に限定されない両側の横隔膜運動の低下を報告しいる。特に在宅の寝たきり患者では,麻痺による筋機能障害・誤嚥・不動・栄養不良などさまざまな修飾要因により容易に呼吸状態不良となり,時には生命の危機に陥ることもある。このような呼吸状態悪化を予防,もしくは早期に発見・治療することが訪問スタッフの重要な役割の1つと考えられる。今回,在宅療養中に著しく呼吸状態不良となった患者に対して,可及的早期に包括的な呼吸ケアを施すことにより状態安定にいたった症例を経験した。そこで,本症例に対する取り組みについて,私見を交えて報告する。
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