Japanese
English
紹介
脳梗塞後遺症に対する選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の効果
Efficacy of Selective Serotonin Reuptake Inhibitors for Stroke Patients
藤川 徳美
1
Tokumi FUJIKAWA
1
1国立療養所賀茂病院精神科
1Department of Psychiatry, National Kamo Sanatorium
キーワード:
Selective serotonin reuptake inhibitor
,
SSRI
,
Cerebral infarction
,
Serotonin
,
Pathological crying
,
Rehabilitation
Keyword:
Selective serotonin reuptake inhibitor
,
SSRI
,
Cerebral infarction
,
Serotonin
,
Pathological crying
,
Rehabilitation
pp.1123-1125
発行日 1998年10月15日
Published Date 1998/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904639
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■はじめに
脳梗塞後には片麻痺などの神経症状,うつ状態・情動失禁などの精神症状が存在する。脳梗塞後遺症の治療としては(1)脳梗塞の進展予防,(2)現在の神経症状,精神症状に対する治療がある。脳梗塞の進展予防には高血圧などの危険因子の管理と抗血小板療法があり,その治療方法については詳細に検討され定式化されつつある。しかし,現在の神経症状,精神症状に対する治療には脳循環改善薬,脳代謝賦活薬,および抗精神病薬,抗うつ薬などの向精神薬が試みられてきたが,十分な治療効果が得られていない。
一方,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(selective serotonin reuptake inhibitor;SSRI)は欧米では10年以上前から導入されており,うつ病のみならず,強迫性障害,パニック障害,神経性大食症に有効とされているが,近年脳梗塞後遺症の諸症状に用い効果を認めた報告がみられるようになった。本稿では従来の抗うつ薬と比較しつつ,SSRIの脳梗塞後遺症に対する効果,安全性について述べる。
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