連載 管理者日誌・9
「支援」と一口に言うけれど―ケアマネジャーを考察する
松田 栄子
1
1都筑医療センター訪問看護ステーション
pp.758-761
発行日 2001年9月15日
Published Date 2001/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901373
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初任者研修の思い出
あれは10年前のこと。訪問看護を始めて半年の私は,東京都が行なう訪問看護婦の初任者研修に参加していた。神戸市で採用にこぎつけた訪問看護を夫の転勤のためにあきらめ,泣く泣く東京にやってきたのだった。引越し先であちこち探した末に,何とか三鷹市で訪問看護(正確に言うと老人保健法における訪問看護指導事業の委託看護婦)を始め,3人の受け持ちを持たせてもらっていた。何もわからないながら,先輩看護婦さんや保健婦さんに教えてもらいながらの訪問看護で,自分のやっていることがいいのか悪いのか不安でしょうがなかった。そんなときの研修とあって,私は喜び勇んで出かけた。そこで聞く講師の先生方の話はどれもおもしろく,なかでも竹内孝仁先生はその頃も歯切れのいいお話で,「ほー,なるほど。そうか,そうか」とひたすらうなずきながら聞いていた。
研修の最終日,たしかカウンセリングか対人援助法の講義だったと思う,家族への介入で困難なケースはないかという講師の先生の言葉に,私はおそるおそる手を上げた。
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