特集 よりスムーズな退院調整に向けたネットワークづくり
これからの退院支援におけるケアマネジャーの役割
杉田 勝
1
1社会福祉法人そう明会船橋梨香園在宅介護支援センター
pp.915-918
発行日 2006年11月10日
Published Date 2006/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100394
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ケアマネジャーを取り巻く医療体制はいま
2006(平成18)年4月,介護保険制度の改正があり,その内容は介護予防,リハビリテーションの推進・地域包括ケア,認知症ケアの確立・中重度者への支援強化・医療介護の機能分担連携の明確化などを視点とするもので,大きな変革でした。そして改正後のいま,現場は,地域で支える医療と介護への意識が少しずつ変わろうとしています。
医療と介護は,いまや在宅介護を支えるうえでは必要不可欠な関係であり,両方のニーズを合わせもつ要介護者は,今後さらに増えると考えられます。そのなかで,医療依存度の高い利用者(患者)はもちろん,家族での介護環境が整わない,地域での介護サービスが十分整備されていないなどの要因から,利用者(患者)が住み慣れた自宅での介護(療養)生活を送ることができないという現状があります。医療機関から退院していく利用者(患者)や家族は,「退院」を喜ぶ反面,退院後はどこで診てくれるのか,通院することができない場合はどうしたらよいのか,自宅でどのような介護(療養)をすればよいのかなど,数多くの不安を抱えながら,これからの生活を心配されている方が多いと思われます。そこで,私たちケアマネジャーは,退院に向けて医療機関と連携し,医療・介護サービスを充実させることで,難病やがん末期の患者(今改正より介護保険対象となる),中重度の要介護者であっても,安心した介護(療養)生活を自宅で送ることができ,少しでも不安が解消し,在宅生活が継続できるように支援していくことが大切な業務と考えます。
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