特集 高齢者虐待への対応を学ぶ
特集4
専門職の虐待意識を調査して
臼井 キミカ
1
1大阪府立看護大学
pp.384-390
発行日 2001年5月15日
Published Date 2001/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901310
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
高齢者虐待防止研究会が全国規模での高齢者虐待実態調査を行なったのは平成8年の夏であった。それから4年以上経過し,介護保険のスタートなど,高齢者を取りまく環境は大きく変わってきている。
しかし一方では,人間の意識は容易には変わり得ないということも事実である。このときの全国実態調査では,全体の1/4は虐待の発見に1年以上を要していた。調査に回答のあった機関や職種は高齢者虐待にかなりの知識があり,行動している人たちであってもこのような結果なのである。また,ある機関からは「高齢者虐待などあり得ない」などの回答があり,事例の報告がなかったことは喜ばしいことではあるものの,あり得ないと断定することで,かえって発見を困難にしていないかと一抹の不安を抱いた。
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.