連載 生きるって?―こころに残る諸体験をひもときながら・3
逝った母を通して福祉・医療を問う
山本 勝美
1
1東京都保健所心理相談員協議会(事務局)
pp.246-251
発行日 2001年3月15日
Published Date 2001/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901289
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ぼくの母親が亡くなってからもう5年以上にもなりますが,その最後の8か月間の経過は何度思い返してみても“理不尽”の一語に尽きます。ことのはじまりは緊急一時施設入所をしたことにあるのですが,入所の翌々日にはそこから近くの病院に入院,そして約半年ののちにはそこで息を引き取って逝きました。
このように記しただけでは,多くの方は,きっとなにか大きな病でもあってのことだろうと想像されるでしょうが,母は入所するまではやせてはいたものの,なにひとつ病らしい病もなく過ごしていたのです。
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