連載 ケアはつづくよ・2
祖母の“自分カルテ”
飯島 惠道
1
1東昌寺
pp.166-167
発行日 2001年2月15日
Published Date 2001/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901278
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20世紀最後の秋,寺庭に枯葉が舞い始めた頃,祖母が倒れた。「風邪しかひいたことがないくらい元気なのよ,私は」というのが祖母の自慢だった。
ばたんと大きな音がしたので駆けつけてみると,祖母が床にはいつくばっていた。起こしてみたが左側にまったく力がはいらず,すぐに倒れてしまう。休日の夜の出来事だった。当番医へ駆けつけた。CTの結果「硬膜下血腫」と判明。すぐさま脳外科を紹介され救急車にて転送された。私も同乗した。紹介された病院で再びCTをとり,そのまま入院したが,祖母はその夜も翌日も食事のとき以外はひたすら眠りつづけ,意識状態も悪くなっていった。入院2日目の夜,私が病室を訪れたときには,祖母の意識状態はだいぶ低下していたらしく,担当のナースが当直の医師に祖母の様態がおかしいことを報告した。医師の診察の後,すぐに手術をする必要があるとの説明を受け,「血腫除去術」が行なわれた。
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