特集 事例検討のススメ
事例検討にみるホームヘルパーの視点―ある痴呆性高齢者への援助計画をめぐって
大橋 佳子
1
1荒川区役所高齢者福祉課
pp.265-269
発行日 1996年7月15日
Published Date 1996/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688901168
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2月7日午後3時30分,区役所高齢者福祉課の一隅にあるミーティングルームに関係者が集まってきた。ミーティングルームとはいっても,ファイルポックスの狭間にある狭い場所であり,5~6人用のテーブルを囲み集めてきた椅子にそれぞれが腰掛けると,肘と肘がくっつきあうほど狭かった.しかし,お互いの声ばかりか顔の表情まで手に取るような読み取れる狭さが,それからの討議をいやおうでも一体感のあるものとし,1人の利用者に対する関係者が伯仲の間柄となり内容の濃い合議の場所となり得たのである.
山田さんの長女・和子さんの都合で,この日時が決められた。参加者は,山田和子さんのほか表1に示したメンバーである.また,山田花子さんのプロフィルを表2に示した.
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