連載 “日常使い”の在宅の医学・第6回
痛み—知識だけではどうにもならない
安池 純士
1
,
佐々木 淳
1
1医療法人社団悠翔会
pp.330-333
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688202131
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
高齢者、特に認知機能が低下した方は「痛い」とはっきり言わないことがあったり、受診時や往診時には痛みが治まってしまったりすることもあります。ぜひ、そばにいる介護者は療養者の様子をよく見て、話をよく聞いておいてほしいと思います。
痛みには緊急性を要するものもあり、その際の「見た」「聞いた」情報が、その後を左右すると言っても過言ではありません。医学とは、1対1の知識でどうにかなるものでなく、「知識」とその人の「情報」を踏まえて対応を考えるものです。医師のバイブル『ベイツ診察法第3版』メディカル・サイエンス・インターナショナルでは「痛み」を第5のバイタルサインとしているほど重要なものであり、痛みへの対応は、医学の「考え方」の一部に触れていただくよい機会だと思います。
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.