連載 訪問看護BCPプロジェクト・第1回【新連載】
—スタッフ、利用者、そして地域住民のいのちと暮らしを守るための—「事業継続」を本気で考えよう
山岸 暁美
1,2
,
岩本 大希
3
,
金坂 宇将
4
,
平山 司樹
5
,
藤野 泰平
6
1慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室
2一般社団法人コミュニティヘルス研究機構
3ウィル訪問看護ステーション
4ケアプロ訪問看護ステーション
5医療法人葛西医院訪問看護ステーションかっさい
6みんなのかかりつけ訪問看護ステーション
pp.582-590
発行日 2021年8月15日
Published Date 2021/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688201729
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訪問看護事業所の大半は小規模な事業体である。そうした中、例えば5人のスタッフで運営する訪問看護ステーションにおいて、1人が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染し、3人が濃厚接触者となってしまったとき、訪問看護をいかに継続することができるだろうか。他の事業所に代替訪問を依頼できるか? 支援の人材を派遣してもらえるか? ではそれらを依頼する際の情報共有の方法は? 契約は? 利用者への説明は? 逆に他事業所でクラスターが発生して応援を依頼されたときはどう対応する?——小規模だからこそ、緊急事態に見舞われた際に備えて検討しておくべきことがある。
もちろん、緊急事態の原因となるのは感染症だけとは限らない。自然災害もそうだ。ここ数年、毎年のように日本各地で甚大な被害をもたらす自然災害が起こっている。「豪雨の影響で河川が決壊し、道は冠水、半数以上のスタッフの自宅も被害を負ってしまったら」といった状況を想定し、スタッフ、そして利用者のいのちと暮らしを守るための準備が不可欠となっている。
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